世界No.1の総長と一輪の花
「…最悪よねー。私たちなんてプール入ってないのに。何で掃除しなくちゃいけないのかしら」
体操着から制服に着替えている時に、京子がだるそうにそう言う。
去年入らなかった私と京子は三谷先生に怒られて、そのうえ来年のためにってプールのDVDを放課後にみせられたんだ。
だから今年はどうやって逃げようか……
「素直にプール入れば良くない?」
明日葉は着替え終わって、クリームパンを頬張りながら言った。
「無理」
「…私も……」
ここはどうしても譲れない。
「プール楽しいよ!!!」
にこにこして言う明日葉。明日葉は運動なら何でもできるから凄いと思う。
「絶対楽しくない。私だってまだ死にたくないし」
京子が否定する。明日葉には悪いが私も京子に同意だ。泳げない人がプールに入ったところで命を危険に晒すだけ。
「超楽しいのに~」
明日葉は唇を尖らせていた。