世界No.1の総長と一輪の花
お昼休み、何やら倫也が真面目な顔で話しだした。
「ひめちゃん、京子……君たちは何もったいないことをしているんだね」
…何か口調おかしくない……?
「もったいないことって?」と京子がたずねると、
「プールに入らないってこと」
と倫也が返した。
「全然もったいないことじゃないじゃん」
京子の言葉に私もうんうんと頷くと、「わかってないなぁ~」と倫也が私たちを交互に見つめる。
「ひめちゃん…京子……2人の水着を見たい男がどれだけいると思ってるんだ……」
「え、なにそれキモ」
引き気味の京子。私もそれはさすがに良くは思わない。というか見たいと思う人なんていないだろう…
…そもそも男子と女子でプールの時間なんて別れてるし………
「ひめちゃんと京子、君たちの去年売られてたブロマイドは全部ジャージ姿じゃないか。しかも暑い中、長袖長ズボンのジャージで」
……ブロマイド?
机に両肘をついて、真剣な表情のままの倫也。
「詩優なんてひめちゃんのブロマイド全部買っ……」
途中で慌てて席を立って倫也の口を手で塞ぐ詩優。
……?