世界No.1の総長と一輪の花
デッキブラシを無理矢理奪われて、そのあとは男のうちの一人であるそばかす男が私のポニーテールに触れる。
「可愛いね」
男はくるくると私の髪の毛を自分の指に巻きつけて、にやにやしながらそう言った。
「……あ、の……」
私が声を出すと、隣ではバシッという音が聞こえた。ちらりと横を見ると、京子がもう1人の男、タレ目男の手を振り払ったところだった。
「気安く触んないで」
冷たく言い放つ京子。
「行こ。花莉」
ぐいっと私の手を引くと足早に歩きだす。この男2人組は少しやばい気がして、私も足を動かした。
一旦プールサイドに行くと、詩優と目が合った。
詩優は竜二さんと一緒に私と今日このところまで来ると、「逃げよ」と小声で言ったのだ。
そして詩優はじっと私を見つめる。
ドキリとした。いつもより違う髪型に何か言ってくれるんじゃないかって…
女の子なら期待してしまうだろう。