世界No.1の総長と一輪の花
不安
「マジで妃芽乃さんうざくね?」
「詩優様趣味悪っ」
「あの女のどこがいいんだか」
「男好きのくせに」
女子トイレに入っている最中に聞こえてきたそんな声。今、私はトイレから出るに出られない状況。
それとも聞こえていないフリをして出た方がいいのだろうか……
でも私にはでトイレから出る勇気なんてなくて、しばらく女の子たちが出ていくのを待つことにした。
「詩優様って妃芽乃さんのどこが好きなんだろうね~」
「顔と体じゃない?」
「あーね。妃芽乃さんすぐヤらせてくれそうだし」
「妃芽乃さんだって男遊び好きそうだもんね~」
…………
「制服脱いで詩優様に迫ったら抱いてくれるかなぁ?」
「あんたEカップだもんね~。いいなぁー」
「今度告白してみようかな~」
「いけるんじゃない?」
不安に思ったことがある。
詩優は私のどこが好きなんだろう、と。
私なんかいいところなんて1つもない。
なのに…どうして好きになってくれたんだろう……
不安に思っいると、女の子たちは笑いながらトイレを出ていった。