世界No.1の総長と一輪の花
鎖骨にそっと触れて、自分の唇を押し当てる。ちゅーっと吸いついて、一旦離れてみる。
でもあの"赤い痕"はつかない。
…何で………
もう1回挑戦。
骨ばった鎖骨に自分の唇を押し当てて、ちゅーっと吸い付く。さっきよりも強く。
唇を離して確認してみると、一点がうっすら赤くなっていた。
「…ついた?」
詩優がにやりと口角を上げて聞いてくる。余裕たっぷりのその顔がまたむかつくほどかっこいいと思ってしまう。
「…まだつけるもん」
次は綺麗な首筋に顔を埋めて、吸い付く。1回吸い付いただけじゃつかないのがなんだか悲しい。
2、3回繰り返してようやく赤い"痕"になる。
黒いTシャツをちらりと捲る。男らしい体つきで、綺麗に割れている腹筋が目に入った。
……!!
なんだか眩しいとさえ思ってしまうその体。
厚い胸板にキス。その次は綺麗に割れてる腹筋に触れて、キス。
次は詩優の右手を持ちあげて、キス。
この手で他の女の子に触れたかと思うと胸が締め付けられて苦しくなる。この体で他の女の子を抱いたと思うとどうしようもなく詩優が欲しくなる。