世界No.1の総長と一輪の花







リムジンが止まって、




「お手をどうぞ。姫」

「…あ、ありがと……」




詩優に手を差し伸べられて、私はその手をとった。そしてリムジンをおりる。




…って、どこぞのお姫様ですか?




「………ここ、は?」




連れてこられたのは高級感漂うお店。ガラス張りのお店で、店内には高そうなドレスやスーツを着たマネキンが立っている。




「入ったらわかるから」




詩優はそれだけ言って、私の手を引いて店内に入る。




店内はすごく綺麗で、私みたいな一般市民が来ては行けないような気がした。





だって……本当に綺麗なドレスやスーツがいっぱいあるんだもん。




「あっ!!しーくん!!!その子が彼女!?」




店の奥から走って現れたのは茶髪のロングヘアを巻いているの女性。黒のロングドレスを着ていて、背が高い。あまりにもスタイルがいいからどこかのモデルさんみたい。




…この人は以前詩優と一緒にいた女性だ……




じゃあこの人が……




「初めまして!!詩優の姉の朱里(あかり)です!しーくんのことなら何でも知ってるから困ったことがあったら何でも聞いてね」




朱里さんが私に笑顔で言う。その笑顔が太陽のように明るくて、詩優とどこか似ている気がした。





…本当に姉弟なんだ……



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