世界No.1の総長と一輪の花
ドレスに着替えるだけでもすごく疲れた……
「あ、朱里さん!!待ってください…!!お願いですからそれだけは…!!」
着替え終わったあとは大きな鏡の前に座らされて、何事かと思ったら…
なんと朱里さんは私にメイクをしだしたのだ。
「えー?何で?花ちゃんは確かにもともと可愛いけど!メイクくらいさせてくれてもいいじゃん!!」
無理矢理前を向かせられてメイクを続ける朱里さん。
…やばい…このままじゃ詩優にドン引きされちゃう……
「しーくんだって花ちゃんがメイクすると喜ぶよ?」
「……そ、その詩優が……ドン引きするんですよ……」
「え!?なにそれ!?詳しく聞かせて!!!」
今すぐにメイクをやめてほしいから私はあの時のことを朱里さんに全て話した。
以前変えてもらった髪型も、唇に塗ってもらったリップも詩優によって元通りにされたことを。
朱里さんはにやにやしながら、「大丈夫大丈夫」と言ってメイクを続ける。
…何が大丈夫なんだろう……
もう抵抗しても無駄だと思い、私は最後までメイクをされて、髪の毛までゆるく巻いてもらった。