世界No.1の総長と一輪の花
予想外な
*
それから1時間半後、到着したのはなんと『HEARTS HOTEL』というところ。『HEARTS HOTEL』は超高級ホテルで、以前テレビで紹介されているのを見たことがある。
ホテルの外装からしてすごく綺麗で、高級感溢れている。またしても一般市民が来れないようなところに来てしまった。
……な、な、何でここに…?
「ここからは俺の腕にくっついてて。絶対離すなよ?」
リムジンをおりるまえに詩優はそんなことを言う。そういえば来る前も
"会場に着いたら俺にくっついてて"
と言っていた。
その会場というのがこの『HEARTS HOTEL』なのだろうか。
詩優はリムジンをおりて、私に手を差し伸べる。その手をとって私はリムジンをおりた。
私は言われた通り詩優の左腕に抱きつくようにくっついた。
「俺といれば安全だから」
離れれば危険だというような言い方。いったいここで何があるのだろうか……
そのまま歩き出す。いつもよりゆっくり歩く詩優。多分ピンヒールで歩きづらい私を気づかってくれているのだろう。
詩優の優しさが感じられて胸の奥が熱くなる。
…ピンヒールとか初めて履いたからいつか転びそうだけど……