世界No.1の総長と一輪の花






そのまま奥に進んだところにあった大きな扉の前に、黒いスーツを着た男性が立っていた。




長身で大人っぽい雰囲気の人。




黒髪に青いメッシュ、整った顔立ち。誰かに似てるような気がしたけどその人なわけがない…と思う。




だって私がよく知る"その人"はいつも青いメガネをかけているんだから。それに今日は平日だし、学校に行っているだろう……




それにしても似てるような……




「おい詩優。ネクタイくらい上までしめろ」




…この声!!




…竜二さんに似ているその人は確かにそう言った。しかも竜二さんの声で………




……もしかして本物!?




「りゅ、竜二さん!?」



思わず大きな声が出た。




「竜二じゃないと思ったの?」




詩優が笑う。




だって竜二さんがいるなんて思わないじゃん!今日は平日だし、メガネだってしてないんだもん……それに黒いスーツのせいで大人の人に見えるし…




それは詩優にも当てはまるけどさ。





竜二さんがいるってわかってたなら詩優が私になにか一言くらい言ってくれても良くない…?





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