世界No.1の総長と一輪の花
「詩優からなんの説明もされてないのか…?妃芽は」
竜二さんの言葉にこくんと頷く私。
「……詩優。いつもいつもお前は説明が欠けてるんだ……いい加減にしろ」
ため息をついてから呆れ顔で詩優を睨む竜二さん。
「俺がここの社長の息子で、竜二が副社長の息子。そんで竜二は今日のパーティーの手伝いで門番してる」
さらりと言う詩優。
……シャチョウノムスコ?フクシャチョウノムスコ?
気のせいかな。何かすごい言葉が聞こえた気がする。うん。
「…今、なんて言ったの?」
これは確認のため。さっきのは幻聴…だと思う。
「俺がここの社長の息子で、竜二が副社長の息子。それから俺は花莉が好き」
「どう?聞こえた?」と私と目を合わせる詩優。
え?え?え?え?
社長の息子……?副社長の息子…?誰が?詩優が?竜二さんが?
「………えぇぇぇ!?」
詩優の腕に抱きついていた私だったけど、一旦離れて壁際まで行く私。
「それすら言ってなかったのか…」
またため息をついた竜二さんは心底呆れたという表情。