世界No.1の総長と一輪の花
体が熱くなる。それは全部詩優のせいだけど……
人の視線も感じる。それも詩優のせいだけど。
「…人前でしないで…」
詩優には恥ずかしいなんていう感情ないかもしれないけど、私にはあるんだ…
「何で?」
「恥ずか…」
"恥ずかしい"と言おうとしたところでいきなり詩優に抱きしめらる。強い力で……
「し、詩優…!やっ……」
「…黙って俺に抱きしめられてて」
私の話くらい聞いてくれてもいいのではないか…
詩優に抱きしめられるのは好きだけど…やっぱり人前ではあまりされたくない。
でも……
あまりにも強く抱きしめられるから……少しならこのままでいいかも…なんて思っちゃう。
詩優の背中に手をまわそうとした時、背後から嫌な視線を感じた。背筋が凍ってしまうような…そんな視線。
「大丈夫。守るから」
私の反応に気づいた詩優は、全てわかってるように言う。実際にわかってると思うけど。
私はするりと詩優の背中に手を回して、気にしないように心がけた。