世界No.1の総長と一輪の花







体が熱くなる。それは全部詩優のせいだけど……
人の視線も感じる。それも詩優のせいだけど。




「…人前でしないで…」




詩優には恥ずかしいなんていう感情ないかもしれないけど、私にはあるんだ…




「何で?」


「恥ずか…」




"恥ずかしい"と言おうとしたところでいきなり詩優に抱きしめらる。強い力で……




「し、詩優…!やっ……」


「…黙って俺に抱きしめられてて」




私の話くらい聞いてくれてもいいのではないか…
詩優に抱きしめられるのは好きだけど…やっぱり人前ではあまりされたくない。








でも……






あまりにも強く抱きしめられるから……少しならこのままでいいかも…なんて思っちゃう。







詩優の背中に手をまわそうとした時、背後から嫌な視線を感じた。背筋が凍ってしまうような…そんな視線。





「大丈夫。守るから」





私の反応に気づいた詩優は、全てわかってるように言う。実際にわかってると思うけど。





私はするりと詩優の背中に手を回して、気にしないように心がけた。







< 309 / 599 >

この作品をシェア

pagetop