世界No.1の総長と一輪の花







俺らは強制的に病院に連れていかれ、その何時間か後に包帯を赤く滲ませたあいつが来た。





体はすげぇふらふらで、誰かに支えてもらわねぇと歩けないくらいになってた。






…馬鹿だ……





雷龍でもない俺らを庇うから。






あいつはすぐに輸血されて、そのうえ3針縫ったらしい。



















「……ごめんな……俺が巻き込んだ」





あいつが目を覚ましたらしく、俺と壮、誠の3人で病室に行ったら、弱々しい声で謝られた。





………暴走族の、しかも総長が俺らなんかに謝ったんだ。





「…謝んなよ……気持ち悪いから」



「ぼ、ぼぼぼ僕は気にしてません…!!」





壮と誠がそう言う。俺はただ何も言えず、見ていた。俺らはその後、全てのことを聞かされた。"鳳凰"が仕組んだゲームに巻き込まれて、あいつを怒らせるためにやられたんだと……






そうだ。もともと雷龍であるこいつが俺らに手を出さなければ、俺らが巻き込まれることもなかったんだ。






「でも悪ぃな。お前らのこと、まだ雷龍に入れてぇと思ってる」






そう言ったあいつはにっと笑って、すぐに眠りについた。






………本当にただの馬鹿野郎




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