世界No.1の総長と一輪の花
「ねぇ、倫也」
ソファに座ってスマホをいじる倫也に声をかけると、「なーに、ひめちゃん」と顔を上げてくれる。
「…詩優って何が欲しいんだろう……」
私は詩優の"彼女"のはずなのに詩優の欲しいものがさっぱりわからない。だから少しずるいかもしれないけど友達の倫也に聞いてみた。
「そりゃあ、ひめちゃんの愛でしょ」
自信満々に言う倫也だけど………
「……真面目に答えて」
「これ真面目なんだけど」
「……真面目じゃない」
普通真面目に考えたらこんな考えにならないもん。
「いい?ひめちゃん。体にリボン巻き付けて、上目遣いでこう言うんだ。
『プレゼントはわ・た・し♡』って」
裏声で言う倫也に思わず「ふふっ」と笑ってしまった。
「倫也って面白いよね」
「別にウケ狙って言ったわけじゃないよ?」
そう言われてもなかなか笑いが止まらない。笑いを止めるために深呼吸しようとしたけど、また思い出し笑いの繰り返しで…
それからやっと笑いがおさまったのは5分後くらい。