世界No.1の総長と一輪の花
しばらく走ったところにブランコが2つあるだけの小さな公園を見つけた。そこには街灯が1つあって、薄暗く照らされている。
私はブランコに座って、スマホをひらいた。スマホの画面にぽたぽたと涙が落ちる。視界が歪む中、連絡先の"夜瀬 詩優"をタップ。
プルルルルルルルル、プルルルルルルルル…
すぐに声が聞きたい。詩優の声を聞いて安心したい……
けれど
しばらくしても詩優は電話に出ない。余計悲しくなって、どんどん涙がこぼれ落ちる。
もう何コール目かわからないほど呼出音を聞いて……キャンセルボタンをタップした。
どこからだろうか。
バイクが走る音が聞こえてくる。それもすごい速さで…
その音が近づいてきて……
やがてそのバイクは公園の前で止まった。