世界No.1の総長と一輪の花
しばらくして、苦しくなくなった。呼吸もできるし…
「……バイク乗れる?」
詩優の言葉にこくんと頷くと、抱きかかえられてバイクに乗せてもらった。
ヘルメットを被せてもらって、後ろからぎゅっと詩優に抱きつく。
安全運転でゆっくり走るバイク。だけど…頬に当たる風が何だか冷たく感じた。
前からああしておけば良かった。何でああしなかったんだろえ。そんな後悔だけが頭の中を駆け巡る。じわっと涙が目に溜まっては、それを必死で堪えた。