世界No.1の総長と一輪の花
『母親の事情を知りながら花に会うなんて……
そんなの花に合わせる顔がない……』
榊が花莉から姿を消した理由。ぶん殴ってやりたかった。榊が花莉を好きなのは何となくわかってたから、余計に。
"母親が死んだ"って言われて花莉が泣かないわけねぇだろうが。何でその時そばにいてやらなかった。何でこっそり真実を教えてやらなかった。
何で……お前まで姿を消して余計に泣かせんだ。
あの時の花莉には頼れるやつなんて榊しかいなかったのに…
『…強くなりたくて…俺は"鳳凰"に入った』
そう言われた時は少し驚いた。しかも鳳凰の幹部だと言っていたから相当な腕なんだろう。
俺はこいつに負けるとは微塵も思わないけど。
『…条件付きでもいいっ……だから、花と母親を会わせて欲しい』
俺が出した条件は4つ。
①手ぇ出すな
②嫌がることすんな
③泣かすな
④19時までに返せ
それが出来なければ鳳凰を潰しに行く。
潰すといっても俺個人の感情で動くだけだから、雷龍のやつらは巻き込めない。
だからもしもの時は俺一人で潰してみせる