世界No.1の総長と一輪の花











「…怖い」



寝る前に花莉がそう呟いたから、俺の部屋で一緒に寝た。



帰って直行、制服のままで。






「…制服…しわしわだ…」




朝起きて、そう言った花莉の制服は確かにシワだらけ。うん。特にスカートが…




意味もなくスカートをパタパタとさせる花莉だけど…その度に太ももがチラチラ見えて……




「…ストップ。パンツ見えるからやめろ」




別に見えたわけじゃない。見えそうなんだ。太ももは見えたけど……




「……ご、め」




頬を赤らめて言う花莉。少しは元気になって良かった。昨日泣きすぎたせいで目が赤いけど…








「…っ」




…かと思えばいきなり泣き出してしまう。




「…大丈夫。大丈夫だから」




そっと抱きしめて背中をさする。





この日、俺たちは学校を休んだ。花莉が学校に行ける状態じゃなかったから。


















「…ごめっ…なさ………お母、さん……っ」



泣きながら花莉はそう言っていたんだ。








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