世界No.1の総長と一輪の花
*
「…怖い」
寝る前に花莉がそう呟いたから、俺の部屋で一緒に寝た。
帰って直行、制服のままで。
「…制服…しわしわだ…」
朝起きて、そう言った花莉の制服は確かにシワだらけ。うん。特にスカートが…
意味もなくスカートをパタパタとさせる花莉だけど…その度に太ももがチラチラ見えて……
「…ストップ。パンツ見えるからやめろ」
別に見えたわけじゃない。見えそうなんだ。太ももは見えたけど……
「……ご、め」
頬を赤らめて言う花莉。少しは元気になって良かった。昨日泣きすぎたせいで目が赤いけど…
「…っ」
…かと思えばいきなり泣き出してしまう。
「…大丈夫。大丈夫だから」
そっと抱きしめて背中をさする。
この日、俺たちは学校を休んだ。花莉が学校に行ける状態じゃなかったから。
「…ごめっ…なさ………お母、さん……っ」
泣きながら花莉はそう言っていたんだ。