世界No.1の総長と一輪の花
決断は





あの家…前に住んでいた家に詩優と冬樹くんがお母さんと私と一緒に行ってくれて、ちゃんとお父さんに離婚届をかいてもらうことができた。




苗字は変わらず、妃芽乃のまま。




「全部荷物まとめておいで」




詩優に背中を押されて、やってきたのは以前の自分の部屋。





久しぶりに入る。




引き出しの中のもの、クローゼットの中のもの…あまり自分のものなんてないけど全て鞄の中に詰め込んでいく。




「あ」



ふとあるものを見つけて、思わず声を出すと詩優が不思議そうに「ん?」と私を見る。




「水着見つけたの」




学校指定の水着、自分でも持っていたのかと驚いた。水着を広げて詩優に見せたら、「泳げないのに水着はあんのな」と笑われた。




「…ビキニも持ってるよ。見せてあげるからこっち来て」




私がそう言うと「は!?」と大きな声を出して驚く詩優。驚きつつも気になるようで、私のそばまで来る。




「…ごめんね、嘘」




まさか騙されるとは思ってなかった。水着持ってること自体に笑ったから…




「……今度プールデート連れてくから」




…プールデート!?




「やっ、やだっ!!絶対行かないっ!!」




絶対泳がないって、絶対プールに入らないって決めたのに…!!それに詩優だって入らない方がいいって言ってたじゃん…!!





< 355 / 599 >

この作品をシェア

pagetop