世界No.1の総長と一輪の花




「いいでしょ?花」


「…え…」




詩優の前なのにじりじりと迫り来る冬樹くん。




「何揺らいでんの。浮気?」




詩優に腕を引っ張られて、私の体は詩優へと引き寄せられた。




「う、浮気じゃないっ…!」






「花、大きくなったら冬樹くんと結婚するって言ってたよね」




挑戦的な笑みに変わる冬樹くん。それを言ったのは何年前の話だと思ってるんだ………




「それに花の初デートの相手は俺だよね?初めて間接キスしたのも俺とだよね」




何で今そんな昔話をするのかわからないけど、途端に恥ずかしさが込み上げてくる。




あの時、デートだと意識したことはなかった。関節キスといってもお祭りで同じ箸で屋台の食べ物を食べたりしただけだ。




冬樹くんは家族同然だから気にしていなかった…




「花のこと解決したし、これからは積極的に攻めるから」




冬樹くんがそう言うと、




「ふざけんな。絶対渡さねぇよ」




と詩優がぎゅっと私を抱きしめる。お母さんは私たちを見て、「ふふっ」と笑うだけだった。、










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