世界No.1の総長と一輪の花
「夜瀬、相良、お前らあの時のこと覚えとるか?あの3人で行った合コンの……」
「たーいーせー?今、合コンって聞こえたんやけどぉ?」
泰成さんが言い終わる前に、真理亜がすぐに反応した。しかもかなり怒っているようで…
っていうか"3人で行った"って言ったよね?今……
「大雅くん。私というものがありながらなんで合コンなんて行ったんですか?」
「……」
氷菜さんもずいっと大雅さんに近づく。大雅さんは目を逸らして、遠くを見つめる。
合コン
私だってその言葉を知らないわけじゃない。
「……行ったの…?」
私がそう聞くと、
「…………高1の頃の話…」
と答える詩優。ということはつまり……
合コンに行ったということ。
さっきまで温かかった心が途端にもやもやする。
私には昔のことで怒る資格なんてない。出会ってなかったんだから何をしようと勝手。付き合ってなかった頃の話なんだから浮気でも何でもないし…
なのに…
…もっと早く詩優と出会いたかった…なんて思ってしまう。
その手で触れるのが私だけならいいのにって…
「ドアホ!!!アホ泰成!!!」
「大雅くん、これは浮気に値します。花莉さん、真理亜さんも行きましょう」
真理亜さんと氷菜さんに手を引かれてこの場を離れた。