世界No.1の総長と一輪の花










『暴走』




それはバイクで走ること。自分たちの族の強さを見せつけるため、他の族を威嚇するために行うらしい。




「姫たち、トリプル総長に何か言った?」




康さんの車に真理亜さん、氷菜さんと乗ると、すでに車に乗っていた京子がパソコンでキーボードをカタカタとうちながら聞いてきた。




「……どないしたん?その…トリプル総長」


「なんかね、元気がなくって」




…元気がない……?




「…へ、へぇー?そ、そえなんや…なんか悪いもんでも食ったんちゃうかな?」




「…気のせいですよ」




真理亜さんも氷菜さんも気にしてないようにしているつもりだろうが、すごい気になっているみたい。




「まだ始まるまで10分くらいあるから行ってきたら?」



京子は何でもお見通しといった顔で、にやにやしている。






「うちらは浮気された側なんや!!!会いに来るなら向こうから来ないとあかんねん!!!」





真理亜さんが涙声で言ったその時
























急に車の窓が開いた。



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