世界No.1の総長と一輪の花






「こっちから来てやったで。真理亜」




窓の外にいたのは泰成さん。それに気づいた康さんが窓を開けてくれたのだ。




「なっ、なんやっ…!!」




ぽたり、と真理亜さんが涙を流す。




「何泣いとんねん。ほんまアホやなぁ、真理亜は」


「誰のせいやと思っとるんや!?何回も何回も浮気して…っ!!そんなにうちのこと嫌いなら…わ、別れればええやろ…っ」





「真理亜。世界で一番好きや」


「………っ…そう言ってあと何回浮気するん…?」






「もうしないって誓うわ」


「………絶対やで?」





「約束や」




にこりと優しく微笑む泰成さん。泰成さんは浮気をよくする人…と真理亜さんから聞いたけど、真理亜さんのことをすごく大切に思っているんだろう。





そうじゃなきゃこんな表情しない。






「妃芽乃もすまんな。

夜瀬に好きな子おるの知っとったのに無理矢理合コン連れてったのは俺や。だから夜瀬のことは悪く思わんでやってほしい」




「…あ、いえ…お気になさらず……
私たち、その時に付き合っていたわけではないので…」





ただ、私がもやもやしているだけ…
その時詩優に触れた女の子に嫉妬してるだけ…





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