世界No.1の総長と一輪の花
「でも気にしとるんやろ?ええから会いに行って来ぃや」
すぐに体が動いた。
車から出て、詩優を探す。
早く探さないと、あっという間に10分経って暴走が始まってしまう…
たくさんの人たちがバイクに跨っている中、
「どうしたんすか?」
と声をかけてくれたのは貴詞さん。
「詩優を探してて…」
「詩優さんならこの1番前にいると思うっすよ!でももう少しで始まるんで…」
「ありがとうございます!!」
この人混みの1番前。
そこに詩優がいるんだ…
私は全力で走る。その間にもいろんな人から声をかけられたけど、「急いでるんで…」と言ってまたすぐに走る。
徐々にバイクのエンジンがかかり始めて、すごい音が響く。
…お願い………
まだ行かないで………