世界No.1の総長と一輪の花
「……起きろ、壮。もう行こうぜ」
隣で眠る壮を揺すって無理矢理起こす。
「…手当しなくちゃ……」
「…触んな」
そっと俺の腕に触れてきた手をパシッと振り払う。
悲しそうに俯く姫。
……めんどくせぇ
このまま泣くのかと思ったら…
いきなりぱっと顔を上げる。
「脱いで!!!」
今度は無理矢理俺の服を捲ってくる。
「は!?変態女!!!!やめろ!!!」
ぺろっと捲れかけた服をおさえて、変態女の手を引き剥がす。
…この女まじで痴女じゃね!?
「…ふぁ~……何、そんな暴れてんの?奏太……」
隣で寝ていた壮がここでようやく目を覚ます。欠伸をしていて、まだ眠そうだけど……
「壮!!早く行こうぜ!!!!」
俺は逃げるように走った。
後ろからは、「待てよ、奏太!!!」と壮の声が聞こえてきたけど…とりあえず自己防衛のため先に倉庫の外に出た。