世界No.1の総長と一輪の花
俺たちはお互い何も言わず、ただ倉庫をあとにした。
「やぁ。奏太くん、壮くん。久しぶりだね」
聞こえてきたのはもう二度聞きたくなかった声。振り向かなくても誰だかわかる。
「……黒木っ」
「…何でお前がここに……」
後ろにいたのは
黒髪マッシュの男
"黒烏総長である黒木明がいた。その周りには黒烏の幹部のやつらがいる…
「雷龍のスパイ、お疲れさま」
にこにこと話す黒木。
こいつがあの手紙を送っていた犯人だとすぐに理解した。
またふつふつと怒りが込み上げてくる。
ただ、
目の前の奴らが憎い。
俺たちを遊びの道具としか思ってないこいつらが。
「さすがに雷龍も馬鹿じゃないし、お前らのことスパイだってわかってておいておかないだろ。捨てられるのも時間の問題」
やけに楽しそうする目の前の男たち。
「そーれーに!黒烏に先に手を出したのは奏太くんと壮くんだよね?今日から族の抗争が始まるから。
奏太くんと壮くんのせいでね」
…"手を出した"という言葉で蘇ったのは、この間絡んできた黒烏のメンバーを俺たちでボコボコにしてやったこと……
黒烏は鳳凰の傘下。つまり……
黒烏と喧嘩をした=鳳凰に喧嘩を売った
ということになる…