世界No.1の総長と一輪の花
ハッカーの女はだいたい2階にいる。
……だから…この階段を上るしかない…
2回へと続く階段をじっと見つめていると、
「そ、壮くん?」
と声が聞こえてきた。
ドキン!と大きく心臓が跳ねる。
ゆっくり声のした方を見ると…
前髪が長い男……誠がそこにいた。
………ビックリした…
「そ、そそそそそ壮くん1人で……なんて珍しいです」
誠は折り紙で作った輪つなぎを持っている。しかもかなり長くなったやつ…
「……まぁな」
驚いたのがバレないように、必死に平常心を装う。
「そ、そそそそ壮くんも良かったら飾り付けやりますか?」
「…いや、俺はいいや~。あいつの喜ぶことはしたくないし…」
俺が答えるとしょぼん…と悲しそうな顔になる誠。
「…き、気が向いたら一緒にやりましょう」
とぼとぼと歩いていく。
俺はその姿を少しの間見てから、階段を一段ずつ登っていく。
「あ、そう言えば…壮くん……!?」
また誠の声がして、心臓がドキン!!!とさっきよりも大きく跳ね上がった。
俺は驚きすぎて、足を踏み外して……
ドサッ!!!!
と下まで落下。