世界No.1の総長と一輪の花
まだ数段しか上っていなかったとはいえ、落ちた衝撃で体が痛い…
「そ、壮くん!!!」
…しかも最悪なことに……誠に見られた…
「だ、大丈夫ですか!?」
俺に駆け寄ってくれる誠。見られた以上、仕方ない。
事情を説明して、邪魔しないでもらおう…
俺は起き上がって、誠に全てのことを話した。
「そ、そそ壮くんは本当にそれでいいんですか!?」
「…もともとそこまですきじゃなかったしさ、雷龍なんて……」
「そ、そんなの嘘です!!!ここにいる時の奏太くんと壮くんは…す、すごく楽しそうでした…!!!!」
「……そんなのつくり笑顔に決まってる」
バチン!!!
と音がして、両頬がズキズキと痛む。
「…つくり笑顔じゃないことくらい…ぼ、僕だってわかります!!!!!
し、詩優先輩だって、そ、壮くんと…か、奏太くんを見捨てるような人じゃないことくらい…わからないんですか!?」
……本当は心のどこかで思っていた。あいつなら…って。
でも、もし本当に見捨てられたら…って考えると怖かったんだ……