世界No.1の総長と一輪の花
俺と奏太は適当に荷物を置くと
「さーて、倉庫でも戻るか」
あいつが自分のスマホを操作しながら言った。
「……あんた、一応誕生日だもんな」
「あ、そう言えば…」
…さっきまでいろいろあったからすっかり頭から抜けていた。
俺は持ってきたキャリーケースをあけて、とあるぬいぐるみ2つを取り出してあいつに押し付けた。
「俺と奏太から」
あいつに押し付けたのは以前ゲームセンターで取った『ぷにぷにうんちくん』というキャラクターのぬいぐるみ。
これはかなり苦労して取ったもの。
あいつは少し、驚いた顔をしてから…にやりと口角を上げる。
「俺に誕プレとか買ってくれたの?」
「…違ぇ」
「嫌がらせだし!!!」
ほら、うんちって汚ぇだろ?そのキャラクターのぬいぐるみ。あんま欲しくないやつだろ?だから…嫌がらせのために必死に取ったのんだ。
断じて喜んでもらおうだなんて少しも思ってない…
…本当に………