世界No.1の総長と一輪の花
こくん、と私が頷くとヘルメットを被せられて詩優はバイクを発進させた。
コンビニに行こうと外に出た時は雪が降っていた。もう雪は止んでいて、ほんの少し積もってるくらいだ。
寒いけど…詩優がいるから温かい……変な感じだ。
詩優がバイクを止めたのは………
私の家の前。
…え?何で………
「大丈夫。守るから」
詩優は私の手をぎゅっと握る。
……詩優は私の家のこと……もしかしたら知ってるのかもしれない……
…何で知ってるのかわからないけど……
「…鍵……いつもあいてる…」
私がそう言うと、詩優は家の扉をあけた。
靴を脱いで、手を繋いだままリビングに行くと…
お父さんがいた。お父さんは驚いた目で私たちを見つめる。
「おっさん。花莉のこと傷つけるんなら俺がもらうから」
詩優が口を開くと、
「何を言ってるんだい?君は」
と不機嫌そうにお父さんが返した。
「一応証拠もあるから言い逃れできないけど?おっさん」
……証拠…?
詩優の言葉に黙り込んだお父さん…
そのままリビングから出て、
「花莉の部屋どこ?」
と聞かれた。
「…2階」
私が答えると、2階に上がる。