世界No.1の総長と一輪の花
それから私と壱成くんは、フロントへと向かった。
「壱成…!!!」
心配そうに壱成くんを呼ぶ綺麗な女性。隣では壱成くんは「ママ…」と小さな声で呟いたのが聞こえた。
…壱成くんのお母さん?
「今日はありがとう、おねーさん。楽しかったよ!!また来るね!!」
私にそう言ってから壱成くんはお母さんの元へと行って、ぎゅっと抱きついたのだ。
「…この子が迷惑をおかけして本当にごめんなさい…」
壱成くんのお母さんは申し訳なさそうな顔で私に頭を下げる。
「い、いえ!!壱成くん、すごくいい子で…迷惑なんて…」
…むしろ癒された方だ。
それから2人は仲良く手を繋いでホテルを出ていった。