世界No.1の総長と一輪の花










今日は、ホテルをチェックアウトしたお客さんが多くいつもより2時間遅く仕事が終わった。
2時間遅く終わったといっても今は20時。




「この時間、酔っ払いが廊下にいることが多いから気をつけるんだよ」




帰る間際に早乙女さんに言われた。




「気をつけます!」




なんて返事をした私。
気をつける、なんて具体的に何をしたらいいのかわからないのに。




…いや、心の中では酔っ払いに会うことなんてないと思っていたのかも。













でも…まさか、本当に酔っ払いに絡まれるとは…




「ちょっと~、そこのきみ~」




いきなり男の声がしたと思ったら、ぐいっと肩を抱き寄せられる。




…!?




「あっちで酒でも一緒に飲もうよ~」




男が話せばすごくお酒臭くて、鼻をふさぎたくなるほどだった…




「あ、の…」




なんて言ったらいいのかわからずにいると、ずいっと顔を近づけてくる男の人。




「めっちゃ可愛いね~」




もう片方の手で私の頬に触れて、それからその手を滑らせて唇へと触れる。










…気持ち悪い……




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