世界No.1の総長と一輪の花
っていうか、さっきから………
「……ごめん。前……見えてる……」
すぐに顔を逸らした。
捲り上げられたキャミソールに、露になった下着。それがさっきからパーカーの間から見えていたんだ。
そして、気になることが1つ。
…あの子の腹部に痛々しい青あざがあった、こと。
腹部の傷なんて殴られたり蹴られたりしないとできない…はず…
「…ご、ごめん…なさい…」
あの子に視線を戻すと、パーカーで前を隠して顔を赤くしていた。
…可愛い
「行こっか。そう言えば……バイク…なんだけど…大丈夫?」
あの子が小さく頷くと、俺はあの子が着たパーカーのフードを目深く被せた。
「顔は隠しておいて」
他の族に見られたら厄介なことになる。
雷龍の姫だと勘違いされて、いろんな族から狙われることになりかねない。
「よいしょ」
あの子の体を抱きかかえると、想像以上に軽くて驚いた。
…軽すぎるくらい。
「え!?あ、あの…!」
あの子はめちゃくちゃ俺の腕の中で戸惑ってるけど、下ろすことはせず、そのままバイクを止めたところまで連れていった。