世界No.1の総長と一輪の花






バイクの後ろに横向きで乗せて、




「後ろに跨って」




と言ったら素直に跨ってくれた。パーカーのフードをはずして、ヘルメットを被せる。




あの子の頭よりヘルメットの方がでかすぎる…ような気がする…




「スピード出さないようにするけど…しっかりつかまってて」




そう言ってからバイクに跨って、エンジンをかけた。





あの子はどこを掴んだらいいのかわからないのか、俺に触れることはしないであたふたしてた。




…なんかそういう反応も面白くて可愛いけどさ




「ここをこう」




あの子の手をとって、俺の腹部に手を置く。




「両手で」




そう言うともう片方の手も俺の腹部あたりに回ってきた。





「行くよ」





あの子が落ちないか、とかすごく不安だったけどバイクを走らせるとぎゅっと抱きついてきた。





「…!!!!!」




心臓が思いっきり跳ねる。




…落ち着け




と自分に言ってもなかなか心臓が落ち着かない。





あの子は俺のそんな気持ちも知らないで俺をもっと力強く抱きしめてくる。




…あー、もう…まじで……




好きな子に抱きしめられるってこんな感じなのか…







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