世界No.1の総長と一輪の花
詩優は次々と投げられてくる水風船を避けながら倫也へと近づいていく。
そんなことをしたら今度はパイ投げが……
なんて思ったら、
バシャッ!!!!
と倫也の顔面に水風船が直撃。「あ」と声を出した瞬間には
ベチャリ…
と倫也が両手に持っていたパイ投げのパイが落ちたあとだった。
あぁ。これは詩優の作戦だったのか…
詩優はいたずらが成功した子どもみたいに無邪気に笑っている。
その姿がなんだかとても可愛らしい…
でも、隙をつくかのように竜二さんが両手にパイを持ちながら後ろから回り込む。
詩優はすぐに反応して、距離をとる。
が、竜二さんはそれを許さず思いっきりパイを投げる。
ベチャッ……
それは詩優に当たることなく床へと落ちた。