世界No.1の総長と一輪の花
家を出る間際に、俊が
「制服のリボンはずせ。これをつけろ」
と私に赤いリボンを手渡した。
とりあえず指示通りに制服のリボンをはずして、赤いリボンをつけて駅に向かった。
外は少しだけ……みぞれが降っていた。
……雪降るのかな
駅から電車に乗って、1時間したら桜駅に着いた。桜駅は人が少ない……夜はあまりきたくない場所。
東口付近にいたら、
ピルルルルルルル、とスマホが鳴った。
「……もしもし」
電話に出ると、
「あ、やっぱり君が花莉ちゃんなんだね」
と後ろから男の人の声がした。
振り向くと、そこにいたのはスーツ姿の少し太った男。
「……あ、あの…これ…」
私は男に封筒を渡す
「そんなに早くしたいの?僕は別にトイレでもいいけど……やっぱり花莉ちゃん初めてだし…行こうか」
…何をするの?…トイレ?……初めて?
わけのわからないことをぶつぶつと言っているなと思ったら急に私の手を握ってきた。
……え!?
ぐいっと手を引かれてそのまま歩き出す。