世界No.1の総長と一輪の花
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「…詩、優……デ、デートしたい…」
昼休みが終わる間近、きゅっと俺のシャツの袖を引っ張って花莉が頬を赤らめる。
…あーー、まじで可愛い……
「…しようか、デート」
俺がそう返すと、すぐに花が咲いたような可愛い笑顔へと変わる花莉。
さっきまで考えていたもやもやが全て吹っ飛んだ気がする。
まじで可愛すぎねぇ?俺の彼女。
「…考えてみれば俺らちゃんとしたデートしてねぇし、今日しようか」
「うんっ!!!」
「教室迎えに行くから、待ってて」
「待ってる!!!」
にこにこしながら4組の教室へと入って行こうとする花莉の手を掴んで、ぐいっと引き寄せる。
ちゅっ
と柔らかい頬にキスをひとつ。
「また、放課後な」
口をぱくぱくさせる花莉の頭をぽんぽんと撫でて、俺は自分の教室へと戻った。