世界No.1の総長と一輪の花





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暗闇を歩くたびにひどくぷるぷると震えて、俺の腕にぎゅっとしがみつく。
この、可愛い女の子は俺の彼女。




「詩優!!足!!今、足掴まれた…っ!!」




涙声で必死に言う花莉。




夜目が効く俺は下も何となく見えるし、お化け役のやつが近づいてくれば気配でわかる。けど、敢えて花莉に教えないのはずっとくっついていてほしいと思うから。




…ごめん、花莉。




でも、「ここ入りたい…っ!!」と言ったのは花莉だし。こことは、繁華街にあったお化け屋敷。




一緒に入ってみれば、花莉は怖いものが苦手らしく俺にくっついて震えていた。




俺にとってはご褒美だから全然いいけど。




「詩優…っ!」




前方からゆっくり近づいてくる貞子みたいな女を指さしながら俺にぎゅーーーっと強く抱きつく花莉。





「…怖くねぇから」





ぽんぽんと優しく頭を撫でて落ち着かせるけど、本当に落ち着かないといけないのは俺かもしれない。





…さっきからドキドキと胸が鳴ってうるさいんだ。





そうとも知らずに花莉は抱きしめる力を強くする。






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