世界No.1の総長と一輪の花
落ち着け、落ち着け…俺。
ドキドキしてんのが花莉に聞こえちまう…
じっとしてられなくなって1歩進もうとしたら、俺に抱きついたままの花莉は動けなくなったようでぴたりと足を止める。
「目、瞑ってろ」
ぐいっと小さい体を抱きかかえると、「ひゃっ…!!」と声をあげる花莉。
俺はそのまま貞子みたいな髪の長いお化け役のやつの横を通り過ぎて、奥へと進む。
奥にはケラケラと笑いながら動く日本人形がたくさん置いてあった。
「…っ!!」
花莉は目を瞑るが、音が聞こえるらしく俺のシャツを強く掴んだ。
「……」
その人形も無視して出口へと直行。