世界No.1の総長と一輪の花
外に出て、少し歩いたところで花莉をおろす。
「無理して入ろうとすんな」
ぽんぽんと頭を撫でると、涙目の花莉と目が合った。
「…無理してなんてないもん…っ」
…そんな涙目で言われても説得力ねぇよ
可愛いけどさ…
「どっか座れるとこ行くか」
花莉の手をとってするりと指を絡める。
いつまでもここにいても注目の的だ。
夜の繁華街は他の族のやつもいるし、何より…
「詩優様ぁ♡」
「今夜は私とどうですか?」
「たまには私とも遊んでくださいよぉ!」
歩きだそうとした時にはもう遅く、あっという間に女たちが周りに群がってくる。
隣に花莉がいてもお構い無しに俺の体をベタベタと触ってしまいには腕を絡めてくる。
思わず舌打ちしそうになったけど、それを抑えて「触んな」とだけ低い声で言っておいた。
けど、言うことを聞いてくれずどこからか
「その女も遊びなんですよね?」
「早く捨てられればいいのに」
と聞こえてきた。