世界No.1の総長と一輪の花
俺は今の言葉を聞き流せるほど大人でもない。
怒りを込めて
「…今言ったの誰」
と声を出すと途端に静かになる女たち。
「誰だって聞いてんだけど」
女たちに押しつぶされそうな花莉を引き寄せると、
「…詩、優…もういいから…行こう?」
小さな声は震えていた。
「あぁ」
返事をしてからギロリと周りにいる女たちを睨む。
そしたら怯んだ表情へと変わった。
「俺ら、デート中だから邪魔すんな」
そう言い残して花莉の手をひいてすたすたと歩く。