世界No.1の総長と一輪の花









連れてきたのは、歓迎会の時に来たあの海。




夜になったからさすがに人はいなかった。




俯いて歩く花莉にするりと指を絡めて「花莉」と、呼ぶとすぐに顔を上げてくれる。




「好きだ」




俺の声は確かに花莉に届いたみたいで、顔を赤くしながら口をぱくぱくさせる。




「俺、お前と遊びで付き合ってるつもりねぇから」




頬に手を添えて魚のようにぱくぱくさせた口を、唇を重ね合わせて塞ぐ。




「…んっ…」




小さく漏れた声が可愛くて、角度を変えて何回もキス。



「…んっ…んんっ」




ぎゅっと強く目を瞑る花莉。キスは何回もしてるはずなのに全然慣れていない。




反応が可愛すぎ…




息継ぎだってまだできないみたいで、キスしてる最中に苦しくなると俺の胸をトントンと叩くんだ。




だからたまに意地悪してみる。




後頭部に手を回して離さなかったり。




そうするとドンドン強く俺の胸を叩くから酸素を一瞬だけ吸わせてあげる。
またキスするから、ほんの一瞬だけだけど。









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