世界No.1の総長と一輪の花
もう一度キスしようとしたところで、花莉が「…ダメっ!」と口元を手で覆う。
「ダメじゃねぇ」
手をどけてキスしようとしたところで、花莉が口を開く。
「あそこによく…行くの?」
花莉のいうあそことは繁華街のことだろう。
まっすぐ目を見つめるとじわりと瞳が潤んでいく…
「…中学時代はよく行ってたけど、今はほんとにたまにしか行かねぇよ」
「…本当に?」
「あぁ」
「…綺麗な女の人に触られないで……詩優は私のだもん」
「あぁ。俺はお前のだし、逆にお前は俺のだから。花莉も榊に触れられるの禁止」
「…冬樹くん?」
花莉は「何で冬樹くんが出でくるの?」と言いたげな表情へとなる。どんだけ鈍感なんだよ……榊見てれば花莉のこと好きだっていうオーラが全開なのに…
「…ばか花莉」
「ばかって言った方がばかなんだよ」
ムッとした顔で言う花莉。
なんかガキみてぇな返しだけど…可愛い。
「…まぁいいや。砂浜でも歩こ」
ぐいっと花莉の手を引っ張って砂浜へと向う。