世界No.1の総長と一輪の花
*
18時になったら鳳凰の倉庫へと向かうらしい。
それまであと、5時間はある。
徐々に雷龍の倉庫には人が集まっていく。見たことない人たちだから紫苑と紅蓮のメンバーだろう。
雷龍のメンバーたちは…
なぜかいつも通りだ。
「明日葉!チョココロネがうたってる!!」
寝てる明日葉を起こそうと、倫也は声をかけてるし。
その倫也の言葉で明日葉が「え!?どこ!?」と飛び起きる。
…私が初めてここの倉庫に来た時もそんなやり取り見たっけな。
何だか懐かしい。
「花莉、おやつ食べようか」
京子が私に声をかけると、「おやつ!?」と明日葉が反応。
「全く。お前らは…こんな時くらい静かに過ごせないのか」
「はぁ…」とため息をつく竜二さん。
そんなみんなのやり取りがおもしろくて思わず笑ってしまった。
「あっ!ひめちゃんに笑われた!」
「だってみんながおもしろいんだもん」
「ただうるさいの間違いだろ。妃芽」
「そんなことないですよ!」
やっぱりこれから抗争が起こるなんて思えないくらいいつも通りの会話。