世界No.1の総長と一輪の花
チャキっ
嫌な音が聞こえてきて、後頭部に何かを突きつけられる。
「…姫さっ…!!」
貴詞さんが必死に声を出すと、
「騒げば撃つ」
後ろから低い声が聞こえてきた。
以前、聞いたことがある……
海斗さんの声が…
そして、後ろを振り向かなくてもわかるが…今、私の後頭部に突きつけられているのは拳銃だろう……
「…やめろっ……その人はもう…雷龍の姫じゃないんすよ…っ」
私の後ろにいる人物に必死に言う貴詞さん。私の後頭部に突きつけられていたものが離されたと思ったら……その銃口は貴詞さんへと向けられる。
「…お前も早く、詩優と同じあの世に送ってやる」
そう低い声で金髪男が言ってから、
ガチャリ…と引き金を引く。
「詩優さんはあんたより強いんすよ。絶対死なないっす」
「…それが最後の言葉か」
海斗さんが指を動かして、銃を撃つ直前で
私は思いっきり海斗さんに抱きついて銃口を貴詞さんから逸らす。