世界No.1の総長と一輪の花
「詩優。お弁当作ったの」
部屋を出る間際にお弁当をわたすと、嬉しそうな顔をして受け取ってくれる。
「サンキュ」
この顔を見ると作ってよかったって思えるんだ
エレベーターを下りて外に出る。
「おはようございます」
ツルツル頭の康さんがお出迎え。深く頭を下げる康さんにつられて私も頭を下げた。
「康。あとでみんなにも言うけどさ、この子を雷龍の姫にする」
詩優の言葉に康さんは顔を上げて一瞬驚いた顔をしたが、すぐににこっ、と優しく微笑む。
「自分は寺島 康晃(てらしま やすあき)といいます。よろしくお願いします、姫さん」
また康さんは頭を下げて、私も慌てて
「妃芽乃 花莉です!よろしくお願いします」
と言ってぺこりと頭を下げた。
「よし。学校行くぞ。康、運転頼む」
頭を下げる私たちを見て笑う詩優。
また黒い綺麗な車に乗って
学校に到着。
「ありがとうございます」
と康さんにお礼を言って車を下りた。