世界No.1の総長と一輪の花
詩優は真っ直ぐな瞳で私を見つめてくる。
その目には嘘偽りはない……
「…………はい…っ」
今日何回目かわからない涙がこぼれ落ちる。
「好きだよ、花莉」
詩優は私の頬に手を添えて、唇にキスを1つ。
久しぶりにしたキスは甘くて、熱くて……溶けてしまいそうだ…
2回目、3回目…と唇を重ねて、額をこつんとくっつける。
「……守れなくてごめん」
海斗さんに殴られた頬に触れて、詩優は悲しそうな表情になる。
「……ううん…」
優しく、頬にキスを1つ落とされる。
「…あの時…詩優が死んじゃったかと思って怖かった……だから…その痛みに…苦しみに比べたら全然痛くないよ」
それは本当のこと。
それに…詩優の方がひどい怪我…
って
「詩優!!病院ちゃんと行ったの!?」
考えてみたら、ひどい怪我をしていたのに何で数時間後に…今、ここに詩優がいるのだろう…