世界No.1の総長と一輪の花
「…竜二がさ、花莉とちゃんと話して来いって」
…竜二さん……
そう言えば以前
"妃芽の前に詩優を連れてくることを約束する"
って言ってくれたっけ……
「いてもたってもいられなくなって病院を抜け出してきた」
「……竜二さんは…今すぐに行け…って言ったわけじゃないと思うよ……
私だって…明日もまだいるし……」
せっかくまた付き合えるのに、引っ越すのは寂しいけど……明後日まではこの街にいる予定だ。
「俺は今すぐ伝えたかったから花莉に会いに来た」
「……それでもっと傷が開いたらただのバカなんだから…」
「仕方ねぇだろ。花莉のことになると自分でも止められなくなるんだから」
「…もう二度と無茶しないで………次にこういうことしたら嫌いになるから」
「……わかった」
怒られた仔犬のようにしょんぼりする詩優。
その姿がとても可愛い……