世界No.1の総長と一輪の花




「花莉、帰りは下駄箱で待ってて」


「わかった」


「じゃ、またあとでな」



ぽんぽんと、私の頭を撫でると詩優は自分の教室に入って行った。



私は大きく息を吸ってから教室に入る。



どうやら今は4時間目の授業中……



教室に入るとたくさんの人の視線が私に……



先生は「あとで職員室な」と言って、私は自分の席に座った。



「おはよ」


京子が後ろを向いて、小声で話す。



久しぶりに見た京子……なんだかすごく嬉しかった。



「……京子」



なんでだかわからないけど涙が出そうになった。「…辛かったよね」と言って私の頭を撫でてくれる京子。



授業中だから涙は必死に堪えた。でももうこれ以上声は出せそうになかった。



授業が終わると、すぐに職員室に向かった。



何で遅刻したんだ、とか1週間学校休んでどうしたんだとか、最近何かあったか……とかたくさん聞かれた。



「体調が悪くて」とだけ言って逃げるように教室に戻った。




「花莉!空き教室でご飯食べよ」



お弁当を持って京子に手を引かれて連れていかれる。



いつもは自分たちの教室で食べているんだけど……今日は違うところで食べたい気分?…とか?




連れてこられたのは3階の空き教室。



空き教室の中には机と椅子が何個かあって……



詩優、倫也、竜二さんが座ってお弁当を食べていた。



「あ!いらっしゃーい」



倫也が手を振る。



…なんでこの3人がいるの?



「せっかくだから机くっつけよーぜ」



倫也が机を6個くっつけて、私を詩優の隣に座らせる。



「詩優。あとは紹介よろしく」



みんなも席に座って、詩優と私を見つめる。



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