世界No.1の総長と一輪の花
「花莉を雷龍の姫にした。他のやつらにはあとで言うけどさ」
詩優がそう言うと前の席に座る竜二さん、倫也、京子が頷く。
「副総長が竜二、幹部が倫也……ここまでは前に花莉に話したんだけど……あと2人の幹部は京子と3組の友利 明日葉(ともり あすは)」
詩優が私と目を合わせる。
………京子………京子も!?
「ごめんね、花莉。花莉に謝らなくちゃいけないことがたくさんあるの……」
驚く私に、京子は申しわけなさそうな表情。
「私はね、ハッカーなんだ。それで……花莉のスマホのGPSで位置調べたり…ネットで花莉の情報集めてたの……あと……
花莉に言わないでって言われたことも…詩優に話しちゃって……」
……ハッカー………ってあのハッカー?
「勝手にごめんね……」
頭を下げて謝る京子だけど…
「え!?全然!!っていうかすごいね!!京子!!!」
私がそう言うと、京子は驚いた顔をして……倫也は大笑い。倫也の隣の竜二は「うるさい」と言って倫也を睨んでいる。
「……花莉…あんた…嫌じゃないの?」
恐る恐るちらっと私の顔を見て視線を合わせる京子。
「全然。むしろ本当に感謝してる!!ありがと!!」
私の居場所がわかってたから……あの金髪男に襲われた時詩優たちが助けに来てくれて…………
京子が私の家のことを詩優に話してくれたから……私に今がある。
「…親友……やめないでくれる?」
京子は涙目で私を真っ直ぐに見つめる。
「もちろん」
今度は私が京子の頭を撫でると、嬉しそうに笑った。