世界No.1の総長と一輪の花
帰りのホームルームが終わり、京子と一緒に下駄箱に向かう途中で……
たくさんの女の子がきゃーきゃーと黄色い声をあげながらたむろっている……
…こんな光景前にも見たなぁ
なんて思いながら通り過ぎようとしたら…
よく見ると女の子の真ん中にいるのはあの3人。
倫也は嬉しそうに笑っているけど、隣の竜二さんはスマホをいじるだけ。詩優は近くの女の子と話してはいるけど…あまり笑っていないように見える。
……モテるなぁ
なんて思いながら下駄箱に着いた。
「詩優と帰るんでしょ?呼んでこようか?」
京子が私の顔をのぞきこむ。
「ううん。待ってるから大丈夫」
詩優だって友達と話したいだろうし…私が邪魔していいことじゃないだろう。
「……そう?」
心配そうに言う京子に、ピースサインをして返す。
「うん!」
私がそういったところで、3人が走ってきた。倫也は竜二さんに引きずられながら…
「お待たせ。倉庫行こ」
…そうこ?
詩優に手を引かれて校門まで向かう。校門付近に黒い綺麗な車が止まる……
…り………リムジン……だよね?
詩優がリムジンのドアを開けると、
「乗って」
戸惑っている私の背中を押して、リムジンに押し込む。
続いて京子、倫也、竜二さんが乗り込んで、ドアを閉めると詩優は助手席に座った。
「ごめんな康、ちょっとだけ急いで」
詩優が運転席に座る康さんに声をかける。
「わかりました」